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Sunday, November 8, 2009

翼よ、あれが...

日本出張より昨晩帰国。今回もANA利用。ただし深夜/早朝発着の羽田便ではなく、不便だけど安い成田便。

日のあるうちに飛ぶ香港ー日本便の楽しみは、空から見える景色だ。だから必ず窓側、それも機体の左側/ポートサイドの席を予約する。

香港を飛び立ってしばらくしてくると、まずは台湾の上空を通過する。その後、沖縄から鹿児島に連なる南西諸島の小島を一つ二つ数えるうちに、天候にさえ恵まれれば錦江湾と噴煙をたなびかせる桜島が視界に入ってくる。

以前も機内から撮った写真を、もう一つのブログにアップしたが(コチラ)、この風景を見るたびに、目頭が熱くなる。

これと同じ風景が、祖国のためにと、南の空へ飛び立って戻ってこなかった人々が、最後に見た日本の風景だったのだ。

桜島に翼を振って別れを告げた彼らに思いを馳せ、同時にまた今度も無事に日本に帰ってこれた自分の幸運を感謝する。

飛行機はその後、日向灘に抜け、紀伊半島の南を通過し、遠州灘から相模湾を横切り、房総半島ぞいに成田を目指して北上する。

今回はこちらも天候に恵まれて、冠雪の富士山の頂上が雲海の上にそびえ立つのが見えた。

思わず手を合わせたくなる。

興奮して、隣に座っていたアメリカ人のオッサンを突っついて、

「ホラ、ホラ...ジェームズ・ボンドなんか見てないで...外見てごらん...あれが富士山。キレイだろう...」

などなど...エッヘン、プイ!...っとばかりお国自慢をしたのだが、オッサンはチラとみて、気の抜けた「オーケー...」といったきり、また映画に戻ってしまった。

なんじゃお前...ケンカうってるのか?

ま、とにかく...あいも変わらず香港とは対称的に不便な成田のテイタラクに幻滅する前に、「あぁ...日本人で良かったなぁ...」と思える、空から見た日本の風景なのです。

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